ハンカチを買うときは

2009年07月18日/ おくりものたち。

私はハンカチが大好きです。
いつでも手に握り締めているのですが、そうするとなんだか安心できる気がします。
社会人になって、さらによく買うようになりました。
それは、よく泣く様になったから。
仕事で叱られて、初めて泣いた日のことをいまでもよく覚えています。
こらえようとしても湧いてくる涙に、「社会人なら人前で泣くな!」と言い放った先輩。
そうするとさらにこみあげてきてしまって、ついぽろり、と一粒涙をこぼしてしまうと、
その先輩は、「もういい。ついて来い。」と言って従業員通路に私を連れて行きました。
訳がわからず長い廊下を歩いていくと、その先輩は外に通じるドアを開けて、
「ここで思いっきり泣いたら戻って来い。泣いた跡は見せないように、ゆっくりでいいからな。」と不意に優しい言葉。
リゾートホテルで働いていたので、外に広がる景色は海。
夏の夕方で、まだ夕日になる前の、深い海の蒼と先輩の優しい言葉に嗚咽するくらい泣いてしまいました。
先輩も、私の成長のために叱ってくれたことがよくわかって、「頑張ろう!」と心に決めた私は、
その日の帰り、デパートに寄ってハンカチを買いました。
失敗したら、とことん落ち込むけど、その涙を拭いたら歩き出そう!と決めたからです。
それから、何か失敗すると必ずハンカチを買うようになりました。
なので、私はたーくさんのハンカチを持っています、失敗の数だけ!!!

前置きが長くなりましたが…。
現在は専門学校の講師をしているので、学生たちへの就職指導も重要な仕事です。
その中で、このハンカチの話をしたことがありました。
失敗してもいいんだよ、そこから成長できるんだよ、という話の中で、私の失敗談を披露したんですが、
他人の不幸は蜜の味、学生たちは大喜びしてました…。
そんな流れで、4月に卒業生を送り出したとき、全員にハンカチを作ってプレゼントしました。

ハンカチを買うときはハンカチを買うときはハンカチを買うときは

「社会人になっていろんなことがあると思うけど、初めての涙はこれで拭いて、また立ち上がって。」というメッセージを添えて。
大量に作ったので簡単なものですが、みんな喜んでくれてほっとしました。その場で開けて使う子(泣いた…)もいたりして。
たくさん泣いても、コットン100%のこのハンカチでしっかり拭いて、がんがん洗ってまた使って欲しい。
そう思って、洗濯機洗いに強いように、刺繍はちょこっとだけでスタンプとレースでアクセントをつけました。
それぞれのイニシャルや名前も入れて。
今頃みんなどうしてるかな。久しぶりに会いたくなりました。

 


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Posted by sawako at 17:29│Comments(1)
この記事へのコメント
すごくいいお話ですね。
厳しいだけじゃなくて、ちゃんとフォローもしてくれる優しさのある先輩にとても大切なことを教わった気がします・・・・・・って実際に経験されたのはsawakoさんなのですが。でもsawakoさんの言葉からきちんと伝わってきました。
手作りの品々はどれも可愛らしく、素敵で見ていると心が温かくなります。
これからもブログと作品を楽しみにしています。
Posted by C at 2009年08月18日 12:19
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