けいこ先生の、うさぎ。

2010年05月04日/ お気に入り

連休は、家で過ごすに限ります!
見ない振りしていたボタン付け、
古着を切ってぞうきんにしたり…。
しっかりした人になったような気分を味わえます。
やっぱり、家にいるのが好きだなー。
しあわせ満喫中です。


そんな連休初日。
前から気になっていた、お人形の洗濯をしました。
私はなぜか、ぬいぐるみやお人形をもらうことが多い子供でした。
高校生くらいまでそれは続いていたような…。
意外にも自分で買ったことはないのですが、
いただくぬいぐるみやお人形が家にあふれてしまったことも。
大人になったときにその多くは周囲の子供達にあげてしまったのですが
(アトピーということもあって、毛のあるぬいぐるみ系も泣く泣く…)、
思い出の深いものは手元に残しています。

けいこ先生のうさぎも、そのひとつです。


   けいこ先生の、うさぎ。

けいこ先生は、私の保育園のときの先生。
私はけいこ先生がだいすきで、卒園してからも何度も遊びに行っていたほど。
けいこ先生はやさしくて、でも叱るときはちょっとこわいけれど、
何を聞いても面倒くさがらずにいつも親切に教えてくれました。
そんなけいこ先生が、私たちの卒園時に全員にプレゼントしてくれたのが、このうさぎです。
軍手を使った指人形になっていて、私はよくこのうさぎで遊びました。
だいすきなけいこ先生からもらったことも、大切にしたその理由だったと思います。

私は本当によく保育園に遊びに行っていました。
母の仕事の都合で越境した、自宅から離れた保育園に行っていたのに、
小学校が終わると保育園に行って、先生たちとおしゃべりしたり、
運動会や学芸会のお遊戯練習のお手伝いをしたり。
けいこ先生はその後独立して、学童を立ち上げたので
私はもちろんそこにも入り浸り。
学童で英会話教室が始まったときは、妹と一緒に通いました。
今でも、学童の格子のついた大きな窓をよく思い出します。
けいこ先生はアイディアがたくさんあって、
イベントごとに楽しいパーティーを開いてくれたので、
お勉強というよりも楽しみで通っていたようなものでした。

小学校5年生の時だったと思います。
けいこ先生は突然、事故で亡くなってしまいました。
その前の年に叔父を亡くしたときもそうだったけれど、私には死がよくわからなくて…。
両親からけいこ先生の死を聞いたときも泣けませんでした。
悲しい気持ちはもちろんあったけれど、
泣いたら本当になってしまう気がしてその怖さのほうが大きかったのです。
でも、大人になって気づいたことがあります。

それは、「こころの中に生きている」とは本当だということ。
物理的にけいこ先生にはあれきり会えなくなったけれど、
何かの拍子によくけいこ先生の横顔を思い出します。
それはたぶん、私がけいこ先生をだいすきで、いつも見上げていたから。
私の中のけいこ先生は、なぜかななめ加減の横顔なのです。
いつも一生懸命なけいこ先生。
私たち全員のために、このうさぎを作ってくれたんだなあ。
そう思うと、年々ほころびてきてしまっていたうさぎを私の手で直す事もためらわれていました。

でも、この後も大切に持っていたいから、やっぱり直そう!
そう思って、この連休でうさぎのワンピースのほころびを直し、
手を付け直し、目を補強しました。
だいぶ色は褪せてしまっているけれど、それは私が大事に飾ってきた証拠。
きれいにあらって、すっかり元通り(私にとっては)です!


一緒に映っているのは、同じ日に洗った仲間たち。
ペンギンはスイスのWWFに勤めている友達からもらったもの。
大きな女の子のお人形は、母が私の16歳の誕生日のために手作りしてくれたもの。
お洗濯したり、ほころびを直したり、いろんなことを思い返したり。
そうやって愛着もますます増していくのかもしれないな。
詰まった思い出と、増していく愛着をもって、大切にしていきたいと思います。


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Posted by sawako at 13:17│Comments(4)
この記事へのコメント
こんにちわ
文を読んで涙ぐんでしまいました

そうですね亡くった方はこの世にいなくても心の中で生きてますよね

美しい思い出のぬいぐるみカワイイです

不謹慎だったらすいません
Posted by 夢二☆ at 2010年05月04日 14:44
こころ のこもったものは
その言葉通り、作品も 言葉も 贈り物も 
こころ が そこにありますよね
贈り主が たとえそこに いなくても
そのこころと 自分のこころが 通い合うことはできて
わたしも 元気をもらったりします。
Posted by ハナン at 2010年05月04日 15:36
 さわこさん、こんにちは。

 とても切ないです。
でも、けいこ先生はさわこさんがぬいぐるみを大事にしている事を
ものすごく愛おしく大切に思うでしょうね。

 ところで、
物って大切にしてくれる人の所に集まって来るって言いますよね?

 さわこさんなら可愛がってくれると、
ぬいぐるみも分かっているんですね。

 WWFのお友達・・・すごい!!
Posted by ミモザ at 2010年05月04日 18:25
 追加です。

最近、学生時代お世話になった先生が亡くなったんです。
もう、どうしようもない自己中でプライドの高い先生でしたが、
物凄く影響を受けました。

私の場合、その先生からもらった贈り物は「可能性」だと思います。
今になってみれば「可能性であり、これから生きて行く力の基礎になるもの」だと思います。
形は無いけど、貴重なものを貰ったと思っています。

私の学生時代は小学校から悲しく孤独でしたが、
節目・節目でちゃんと学んだ事があるんだと、改めて思いました。

先生は亡くなったけど、先生から貰った宝は、心の中で生きていると感じています。
Posted by ミモザ at 2010年05月06日 04:52
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